月経異常 menstrual-disorder
月経痛
全体の約3割の女性が生理痛に悩んでいて、中高生女子は約7割と言われています。
生理痛で授業に集中できない、スポーツなどの部活動が楽しめない、学校を休んでしまうなど影響が大きいことが知られています。
早期に治療しないと、どんどんひどくなり、今後不妊症になるリスクが高くなります。
生理痛の原因は機能性月経困難症、器質性月経困難症と感染症などが考えられます。
機能性月経困難症
10代~20代の比較的に若い世代が多くみられます。
器質的な病気はなく、下腹部の痛みのほかに頭痛、肩こり、腰のだるさ、吐き気など様々な症状があります。
月経の時痛みがあり鎮痛剤が必要になる、痛みで座り込んだり寝込んだりする、気になる症状がある時には診察を受けましょう。
放置すると、子宮内膜症のリスクが増え、ゆくゆくは不妊症になることが増えます。
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1問診月経の状況、月経痛の程度、随伴症状、月経の量や持続日数などを伺います。
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2診察経腟超音波検査で卵巣や子宮に問題がないか検査します。性交渉の経験がない方は経直腸超音波検査をします。
内診と超音波検査はご本人に納得したうえでの診察になります。 -
3検査必要に応じて血液検査でホルモン検査や貧血のチェックなどを行います。
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4治療
- 鎮痛剤・鎮痙剤:痛みを抑える薬と子宮のけいれんを抑える薬を、年齢、痛みの具合に合わせて処方いたします。
- 低用量ピル:痛みの軽減以外に月経困難症が悪化しないように、また不妊のリスクを増えないように処方いたします。
- 漢方薬:体質に合わせて処方いたします。
器質性月経困難症
30代以降の女性に多い症状です。多くは子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などの子宮の病気が原因です。
診断は内診、超音波以外にMRI検査、腫瘍マーカー、ホルモン検査なども行われています。
治療は症状の程度、病気の進行、妊娠希望の有無によって手術治療あるいは内科治療の選択肢があります。
当院では婦人科の手術はしないため、他院への紹介になります。
内科治療はホルモン治療(内服・注射)、対症療法、漢方などがあります。メリットとデメリットをしっかりと確認したうえで、自分のライフスタイルにあう治療法を選択できます。
感染症
採血やおりものの検査にて原因を同定し、加療します。
過多月経
1回の生理の量は20mlから140mlと言われています。150mlを超えると過多月経と言われています。
実際に測ることが難しいため、目安としてはナプキン1時間も持たないとか、レバー状の塊がよく出るとか。経血が多く出ると貧血になることが多くなります。
健康診断で貧血と指摘され、初めて経血が多いと気づくこともあります。
過多月経の原因としてホルモンの異常以外に、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内膜増殖症、子宮内膜ポリープなどの良性疾患と、子宮頸がんや子宮体がんなどの悪性疾患があります。または血液病などの全身疾患によるものもあります。
診断には、採血、内診、超音波、子宮頸部と内部の細胞診などが必要になります。
月経不順・無月経・不正出血
子宮頸がん、子宮体がん、ホルモンバランス異常により月経以外の時期に出血することがあります。
月経周期が正常(25日〜38日)に当てはまらないことを月経不順、妊娠がない状態で3ヶ月以上月経がないことを無月経と言います。
また月経以外の出血、不正出血が認められた場合には、精密検査をおすすめします。
PMS
PMSとは月経前症候群のことをいいます。
月経前の3日〜10日間続く精神的または身体的な症状で、月経開始とともに軽快します。
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