かゆみ・おりもの異常 vaginal-discharge
適切な診断で早期治療を
外陰部や膣のかゆみや、おりものの量・臭いなど異常を感じる時、概ねの原因は3つあります。自然に治ることもありますが、適切な診断は早期治療につながります。
気になる症状があるときには早く受診しましょう。
アレルギー、かぶれ
ほとんどの場合はかゆみ止めの外用薬で症状を和らげることが可能です。
重症な方は抗アレルギー薬の内服薬を処方します。
膣炎・膣症
腸内フローラと膣の自浄作用のバランスが崩れた場合になりやすいです。
大部分を占めるのが下記の2種類で、薬物治療で治癒する場合がほとんどです。
雑菌による細菌性膣炎・膣症
細菌培養検査にて病原菌を調べます。嫌気性菌の感染ではこの検査で病原菌を検出できない場合もあります。おりものに明らかな異常を認めた場合は検査結果を待たずに投薬します。
カンジダ性外陰膣炎
カンジタ病感染が原因です。症状としては比較的かゆみが強く、再発しやすく市販の薬が効かない場合があります。症状が出るたびに受診して、消毒・洗浄・膣剤などを使用することで軽快します。毎月繰り返している場合には内服が必要となります。
典型的な酒粕状あるいはヨーグルト状のおりものが出れば、一目でわかる場合もありますが、細菌培養検査の結果でわかる場合もあります。かゆみが強い場合は、検査結果を待たずに投薬します。
性感染症
Sexually Transmitted Infections(STI)或いはSexually Transmitted disease(STD)とも呼ばれています。
膣性交、肛門性交、口腔性交を含む性行為によって感染する感染症です。ほとんどの性感染症は感染初期に症状を示しません。そのため他の人へ感染させやすいです。
気になる方は検査を受けましょう。治療はパートナーと一緒に!
放置すると不妊や子宮外妊娠になることもあります。妊婦さんが感染してしまうと赤ちゃんに移ることもあります。
クラミジア
非常に一般的な感染症で、10代20代は3人に一人は感染していると言われています。かかっても症状がとても軽く気づきにくい場合があります。
クラミジアにより、陰部のかゆみ、おりものの増加、腹痛などの症状を引き起こします。クラジミア感染者の一割程度は同時に淋病も感染している可能性があります。
持続感染は不妊や子宮外妊娠につながります。早期治療が重要です。
治療は抗菌薬の経口投与です。
耐性菌がいるため、抗菌薬内服後3週間で必ず治ったかどうか確認する必要があります。
淋菌
淋菌感染により、陰部より膿が出る、また発熱、腹痛を生じることがあります。
男性は自覚症状が出やすいですが、女性は無症状のことが多く、感染していても気づかない方も多くなっています。
放置すると不妊や子宮外妊娠ににつながります。早期治療が重要です。
抗菌薬の内服で治療できます。
耐性菌がいるため、抗菌薬内服後3週間で必ず治ったかどうか確認する必要があります
トリコモナス膣炎
トリコモナス原虫による感染症で、膣炎・頸管炎・尿道炎を引き起こします。悪臭を伴う、黄色い泡沫状おりものが特徴的で、性交・排尿時不快感、かゆみなどの症状が出ます。顕微鏡で原虫が見つかれば、診断になります。
治療は抗菌薬の内服と膣錠になります。
ヘルペス
ヘルペスウイルスにより、口の周りや外陰部の周囲に湿疹が出来てかゆみ、痛みを生じます。初発の場合は発熱や鼠径部のリンパ節腫脹なども認めます。
免疫力が落ちた時に再発しやすいです。
ヘルペスウイルス迅速検査キットによりすぐに診断することができ、内服薬や外用薬で治療します。
また当院ではヘルペス再発を繰り返す方に、予防投与も行っております。 症状が出ていない時期にもご相談ください。
尖形コンジローマ
性行為によって、ヒトパピローマウィルス(HPV6型、11型)が外陰皮膚・膣粘膜の細胞を異常に増殖させて起こるイボのような腫瘍です。膣の入り口や肛門周囲に見られますが、膣内、頸管にできることもあります。
外用薬で治療できます。
梅毒(症状がなければ自費診療)
梅毒トレポネーマという病原菌で、感染当初はしこりができることがあります。股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります。
治療をしないで3か月以上を経過すると、病原体が血液によって全身に運ばれ、手のひら、足の裏、体全体に小さなバラの花のような発疹が出現します。
血液検査で診断をします。
抗菌薬内服で治療します。治療中は定期的に採血検査が必要になります。
AIDS(症状がなければ自費診療)
HIVによる感染症です。主な感染経路は「性的感染」、「血液感染」、「母子感染」となっています。
採血検査で診断できます。
B型肝炎・C型肝炎(症状がなければ自費診療)
採血で診断できます。
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